筋肥大を目的とした筋トレを効果的に行うための方法

   

 

どうも、理学療法士の魚住です。

筋トレは奥が深く、きちんと筋トレの効果を引き出そうと思ったら、筋肉に対して適切な刺激を与えるということが重要になります。

これは、私のブログで何度も書いている重要な考え方である『刺激と反応』という観点からも非常に重要なものになります。
  

臨床の場面で、『筋トレ』を行っている。

そういったセラピストは多いでしょう。

しかしながら、その筋トレは、適切に筋トレの効果を引き出すことができているのか、という問題提起をしたくなるようなセラピストが、あまりにも多いということです。

何も考えずに、カタチだけの筋トレ “もどき” をやっている。

そう言われても仕方がない、ということです。

 

今回のブログでは、『筋トレ』を行うにあたり、『筋トレ』を効果的に行うために知っておくべき知識と、考え方について書き進めていきたいと思います。

 

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 筋肉の役割とは?


筋トレを理解するために、筋肉の役割について理解しておく必要があります。

筋肉の役割については、以下の4つの点が挙げられます。

① カラダを動かす(運動の発動)
② カラダを守る(衝撃の吸収)
③ 熱を出す(熱の産生)
④ 血流を促進する(循環の補助)

筋トレを行うことで、カラダ(筋肉)から活発に「熱が産生される」ようになる。

そうすると、新陳代謝が上がり、基礎代謝や安静時代謝を高めることができるのです。

 

 

筋トレとはカラダを動かすことである


『筋トレ』という言葉を聞いて、その言葉からイメージされる概念は個々で異なっていると思います。

何か重りを持ってカラダを動かしたり、自分の体重を負荷として運動をすることが筋トレではない、ということですね。

カラダを動かすこと、そのものが筋肉を刺激することになるのですから、
カラダを動かすこと=筋トレになるのです。

 

このような観点からみると、カラダを動かすことでどのような身体的な変化が期待できるのか?
そこをみていきましょう。

筋トレとは、カラダを動かすことで、カラダが楽に動くようになり、より活発なエネルギー消費をしてくれる。

カラダを動かしたときに、負担のかかる関節や骨・靭帯・腱といった「カラダの動力部分を守り」、良好な状態にしてくれる。

さらに、「血液の循環を助けて」疲労回復してくれる。

日頃、楽に「カラダを動かす」ことができ、そのときに使う膝や股関節などを筋肉がサポート・保護してくれる。

カラダから活発に「熱を産生する」ことで、若かりし頃の代謝を取り戻すことができ、「血液の循環を助ける」ことで、疲労回復・促進にもつながる。

スポーツにおいては余裕をもって「カラダを動かす」ことができる。

また、走る・跳ぶ・投げるなどの運動時に「カラダ(内臓、骨、関節、靭帯、腱など)を守る」ということができる➡︎傷害予防

転倒した際の衝撃を吸収して、「カラダ(内臓や骨・関節など)を守る」ことができる➡︎老化防止・若返り。

筋トレを行って、「筋肉量を増やすこと」で、筋肉の4つの役割を向上させられる=筋力は筋肉量に比例し、筋肉量で決まる。 



といったようなことが挙げられます。

筋肉の役割のところでお伝えした4つの役割をきちんと果たしてもらうために、カラダを動かすことが重要である、ということを理解することが大事でしょう。

 

 

加齢による筋力の低下


筋肉は使われないと、どんどん痩せていくものです。

筋肉量の減少、それに伴う筋力の低下という問題が生じるのです。

加齢による影響をみてみましょう! 

 

・大腿四頭筋では、25〜30歳がピーク
・30歳を過ぎると、1年で0.5〜 1 %ずつ減少していく
・30歳〜80歳までの50年間で、筋肉の太さが50 % に
・70歳で1/2
・80歳で1/3

筋肉が発揮するスピードは、加齢の影響を受けない。

負荷ゼロで測定すると、筋繊維1本ずつの最大収縮速度は変わらない。

速筋線維の割合が、40歳頃を境に減っていく。

速筋線維を減らさない、ということが重要になってくる。
 

 

加齢に伴って、萎縮しやすい筋肉

・大腿前面
・頸部
・背部
・腰部

※伸筋は萎縮しやすい

・頸部の筋群
・僧帽筋下部
・広背筋
・腹筋群
・大臀筋
 

加齢に伴う筋萎縮は
 筋繊維の萎縮 ➡︎ 速筋繊維の方に影響が大きい
 筋繊維数の減少 ➡︎ 減少しても、1本ずつの収縮速度は変わらない
 ※屈筋(遅筋)は、萎縮しにくい

 

 

筋肥大・筋力増強のメカニズム


臨床の場面で筋トレを行う。

その際に、筋トレを処方するセラピストが筋肥大・筋力増強のメカニズムを理解していないまま筋トレを行ってしまうと、それは意味のない筋トレになってしまいます。

筋肥大しない、筋力増強が起こらない、ただの運動になってしまう、ということです。

では、筋肥大・筋力増強のメカニズムについてみていきましょう。

それには以下の要因が挙げられます。

 

①メカニカルストレス
➡︎ 物理的ストレス( 高強度85%10回×3 )化学的ストレス(スロートレーニング)
②代謝環境
③酸素環境
④ホルモン・成長因子
⑤筋繊維の損傷・再生

 

 

刺激と反応における刺激の条件


筋トレを行う際に、適切な反応(筋肥大、筋力増強)を得るために考えるべき要素としてあるのは、刺激の条件です。

どのような刺激を与えるのか、ということです。

刺激の質ですね。

刺激の条件については、以下の4つの条件を考える必要があります。
 
①刺激のタイプ
②刺激の強さ
③刺激の大きさ・範囲
④刺激のスピード

 

 

運動(トレーニング)の条件と筋肥大の条件


トレーニングの世界でいわれている、筋肥大させるための運動(トレーニング)条件というものがあります。

 

それが、以下の関係性になります。

①強度   80%1RM
②量            8回×3セット
③頻度   2〜3回/週
④期間   3ヶ月

 

 

トレーニング科学的に見て、筋トレを効果的に行うために必要なこと


①解剖学から、筋肉や関節の構造的な仕組みを知ることで、怪我や故障を防ぐ

②物理学から、支点・力点・作用点という物体の運動の仕組みを理解することで、効果的な筋トレを行うことができる。

③生理学から、カラダの機能的な仕組みを理解することで、効果的な筋トレを行うことができる。

④動かす手順、力を発揮する手順、コーディネイトした複合動作を理解することでパフォーマンスを高めることができる。

 

 

速筋線維を刺激するための条件


①高い筋力を発揮する(ハイ・インテンシティ)

②ゆっくり動かし続ける(スロートレーニング)
③伸長性収縮(エクセントリック・コントラクション)
④反射動作(リアクション)
⑤素早く動かす(クイック・アクション)

 

 

筋トレをどのように考え、臨床で用いるのか?

 

ここまでは、筋トレを行うにあたり、知っておくべき基礎的な知識についてお伝えしてきました。

重要なことは、知識や情報をただ知っているだけの状態では、筋トレによる適切な効果を引き出すことができない、ということです。

 

臨床の場面で筋トレを行う。

その際に、一体どのような目的で目の前の患者さんや利用者さんに筋トレを行うのかを考える必要がある、ということです。

 

多くのセラピストが、術後や活動性の低下により二次的な問題として、筋萎縮が起こっているという問題があり、その問題に対して筋肥大を目的として筋トレを行っているという現実があると思います。

または、筋力が低下しているという問題点があり、筋力が低下している筋肉に対して、その筋力低下の問題を改善するために筋力を高めるという目的で筋トレを行っていると思います。

筋トレをどういった目的で行う(っている?)のか?

それを、どの深さ(程度)まで考えて行っているのか。

そこが重要になってくると思います。
 

ただ、筋肉が萎縮しているから肥大させる。

筋力低下が起こっているから、筋力を高める。

そういった表面的な対処、“浅はかな” 考えに基づいた筋トレの処方となっているのです。

 

セラピストが筋トレを行う。

その様子を観察した際に、どのような刺激を相手に対して与えているのか?

そこを観察すると、そのセラピストが筋トレについて、どれだけ深く考えることができているのか、ということが見えてくると思います。

 

学校での教育も、筋トレを適切に行えないセラピストを生み出している根本的な原因となっています。

どういうことかというと、学校教育で習う筋トレとは、『運動(トレーニング)の条件』の項目で書いたように、多くの場合、強度や量といった観点からしか筋トレを教えていない、ということです。

どれくらいの強さで、どれくらいの回数を行う。

これくらいの情報でしか筋トレを学んでいないのです。

ざっくりというと、萎縮している筋肉や筋力が弱い筋肉に対して、負荷をかける(多くの場合、徒手抵抗)という刺激で、筋肥大や筋力増強を図ることができると思い込んで筋トレをやってしまっている、ということです。

 

例えば、筋肥大の条件を見ると、運動強度としては80%1RMという条件があります。

じゃあ、その1RMをどのように測定しているのか、ということです。

 

筋トレを行う対象の筋肉の1RMをきちんと測定できているのか、という問題があります。

できていないですよね?

セラピストが行う筋力検査といえば、MMTがありますが、MMTで1RMを測定できるのかといえば、できないと思います。

 

学校で習う評価法としてはMMTが代表的なものとしてありますが、学生の時に臨床実習で教科書通りの方法で検査を行おうとすると、教科書通りに行えないということばかりでした。

当たり前の話ですね。

教科書で書かれている検査方法は、健常人を対象にした方法で書かれているのですから。

 

教科書通りにはできないというのは、教科書に書いてあるような姿勢やポジションを取ることができない、ということです。

筋力を発揮しようと思ったら、体幹部が安定している必要があります。

つまり、姿勢やポジションが安定している必要がある。

なるべく体幹部が安定するようなポジションを取れるように工夫をしながら、MMTを行いますが、それは筋力を正しく評価できているのか、と言ったら疑問です。

 

なぜなら、検査でいくら体幹部を安定させて筋力を測定しても、相手の実際の姿勢や動作の中では体幹部が安定していないがゆえに、筋力を発揮できない状態に陥っているからです。

そういったことって珍しくないと思います。

このような場合、検査結果は正しい評価であると言えるのでしょうか?

 

そもそも、抗重力位で体幹の不安定性という問題があるのですから、そこを無視して部分的な筋力を高めるという筋トレを行っても、本質的な問題を解決できると思いません。

体幹部の安定性に問題があって筋力を発揮できないだけかもしれないのですから。

個別の筋肉そのものの筋力(パワー)が弱いのか

筋力を発揮できない(使い方)、という問題なのか

こういったことも評価できないといけません。

 

評価の話になりましたが、筋肥大を起こすことで、筋力を高めることができる。

それは、筋トレの知識をあまり知らなくても、理解できることです。

 

重要なのは、筋肥大を起こすための適切な刺激を与えることができているのか、ということです。

筋肥大を起こすための条件として、刺激の強度と量という側面でしか、多くの場合考えられていないということです。

 

筋肉というものをより細かく見てみると、筋繊維には大きく分けて2つのタイプがあります。

速筋繊維(白筋)と遅筋繊維(赤筋)ですね。

筋繊維を対象に筋トレを考えると、速筋線維を対象にするのか、遅筋線維を対象にするのかで、刺激の仕方が変わってくるということです。

 

臨床の現場でよく見る光景としては、セラピストの徒手抵抗という負荷(ストレス)を対象となる筋肉に加えて、それに抵抗してもらうという筋トレ方法です。

そのような筋トレの方法でいうと、何回、何セットということは運動条件としてクリアできるかもしれませんが、運動強度が適切ではない場合がほとんどでしょう。

そして、筋肥大という目的を考えると、刺激のタイプ、強さ、大きさ・範囲、スピードといった条件が適切ではないということに気づかずに筋トレを行っているのです。

 

どういうことかというと、筋肥大を起こそうと思ったら、速筋線維を刺激する必要があります。

それは上記した通りです。

復習のために再度書いておくと

速筋線維を刺激するための条件としては5つあります。

①高い筋力を発揮する
②ゆっくり動かし続ける
③伸長性収縮
④反射動作
⑤素早く動かす

以上の5つでしたよね。

 

臨床の場面で見る、筋トレの方法でこの5つの条件をクリアしている方法で筋トレができているのでしょうか。

ほとんどの場合、遅筋繊維に対して刺激を与えているのです。

それでは筋肥大は起こりません。

 

筋肥大を起こそうと思ったら、速筋繊維を刺激する必要があるからです。

このことは学校教育では習いません。

ゆえに仕方ないといえば仕方ないのですが、筋肥大を目的として筋トレをしているのであれば、このことに対して “無知” な状態で筋トレを行っているとしたら、それは意味のないことをしているといえるでしょう。

“無知” だから仕方ない、で済まされる問題ではないのです。

 

筋トレにしても、ストレッチ、ストレッチングにしても、“浅はかな” 知識でやってしまう、ということに問題があるのです。

だから、適切な効果を、結果を引き出すことができないのです。

『刺激と反応』という観点から見ると、適切な刺激を与えることができれば、適切な反応が引き出されるし、結果が得られる。結果にウソはないのです。

適切な反応や結果が得られない、というであれば、それは適切な刺激を与えることができていない、ということになるわけです。

 

どのような刺激を、何に対して与えるのか?

その刺激を与えることで、どのような反応を引き出したいのか?

そこをきちんと考える必要があるということなのです。

 

ただ、何となくやっている。

だから反応も、結果も得られない。

そういう図式になっているのです。

 

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筋トレを行う以前に考えるべき重要なこと


筋トレを行うにあたり、重要なことがあります。

それが何かというと、筋トレを実施する以前に、筋トレを対象とする筋組織の状態がどのような状態にあるのかを考える、ということです。

 

筋肉をより高い視点で捉えると細胞になります。

その細胞が活性化している状態、つまり新陳代謝が活発であれば、筋トレをやるための条件としては良い状態にあるといえるでしょう。

どういうことかというと、細胞が不活性の状態でいくら筋トレを行って機能回復を図ろうと思っても、それは難しいということです。

 

酸素と栄養素が不十分な状態で、筋トレをすることに意味があるのか。

筋トレをやることで、どのような状態になってしまうのか。

そこを考える必要があるということです。

 

酸素と栄養素が十分で、細胞の活動性が高まっている状態で筋トレを行えば、良い条件で筋トレを行うことができるでしょう。

それが、適切な反応・結果を引き出すことにつながる、ということです。

筋肉が育つということです。

 

酸素と栄養素が不十分で、細胞が不活性な状態なのに、筋肉に対してストレスという刺激を与えると、より細胞の不活性を助長してしまうことになりかねないのです。

そのようなことを考える、発想をもって、筋トレを行っているのか、という問題があるのです。

 

これは筋トレだけの話ではありません。

ストレッチングやモビライゼーションなど、リハビリテーションで行うあらゆることにもつながる話です。

リハビリテーションで行うあらゆるアプローチは、細胞が不活性な状態で行っても、適切な効果を引き出せないということです。

こういう視点があれば、どうすれば細胞を活性化することができるのか、細胞を活性化した状態でリハビリテーションを展開することができるのか、ということです。

 

細胞を活性化することための方法は、様々な方法があります。

何か特別な道具や機械を必要とせず、臨床の場面で使える方法としては、“ゆする” ということです。

“ゆする” ことができない場合は、“さする” ことをやれば良い。

 

しかしながら、ここで重要なことがあります。

それは、“ゆする” や “さする” という刺激の質ですね。

どのような刺激を細胞に与えるのか、ということです。
 

具体的にいうと、細胞を活性化させるという目的があるのですから、細胞を活性化させるためには “快” の刺激が必要不可欠であるということです。

“快” の刺激で、“ゆする” や “さする” という刺激を行う。

これができることが、重要なのです。
 

細胞には、原始的な、本能的な反応として外部からの刺激に対して、受け入れるのか、受け入れないのか、という判断ができる能力を備え持っています。

それが、細胞にとって “快” なのか、“不快” なのか、ということになります。

“快” の刺激であれば、受け入れるという判断をするし、“不快” な刺激であれば、受け入れないという判断をすることになるでしょう。

 

細胞の一つ一つにも、それぞれ意識があります。

細胞単体で、刺激に対してどのような反応を示すのかということを判断できるということですね。

セラピストの与える刺激が “不快” であれば、細胞はストレスを受けて逃避、防御反応を起こすでしょう。

 

筋トレやストレッチなど、あらゆるアプローチを行う前に、対象とする部位の細胞を活性化すること。

そういう視点をもって、取り組んでいく必要があります。

 

 

体温を上げることの重要性


前項では、筋トレを行う前に、対象とする筋肉の細胞を活性化させておくことが重要であるということをお伝えしました。

細胞が活性化した状態というのは、新陳代謝が活発な状態ですね。

細胞が不活性化している状態の組織に、何かしらのストレスを与えるというのは、機能回復が見込めないと考えても良いでしょう。

状態が良くなることはない、ということです。

 

新陳代謝が活発な状態をつくり出すということは、酸素と栄養素が十分に行き届く状態をつくり出すということです。

酸素と栄養素を細胞に十分に届けるためには、血液循環がきちんと行なわれているということが重要なことになります。

 

ここで考えるべきことは、組織が機能不全を起こしている状態、細胞が不活性な状態であるのに、酸素と栄養素を届けるために血液循環を促しても、細胞が不活性な状態だとうっ血してしまう、ということです。

安易に、血流を促せば良いのではないかという発想の元に、血流だけを改善するというアプローチを行っても、細胞が活性化することはない、ということなのです。

 

血液循環が良い。

この状態が、新陳代謝が活発で、細胞が活性化している状態ですね。

それはつまり、体温が高いという状態になります。

 

細胞が不活性化している状態の人は、体温が低い状態になっている。
http://fufufu.rohto.co.jp/feature/266/

 

体温が1度上がれば免疫力は5~6倍に!

「人間の身体は本来、体温36度5分以上で正常に働くようにできています。体温が1度下がると、エネルギー代謝は12%ダウン。エネルギー代謝とは、食物から摂った栄養を、酵素などの働きで運動や体温維持のための力に変えること。この力が低下すると、老廃物の排出もうまくいかなくなります。痩せにくいことの原因でもあり、さまざまな病気の原因にもなります」  

体温が1度下がると、免疫を司る白血球の働きが30%以上もダウン。同じく免疫に関わる腸の働きも低下します。また、ガン細胞は35度で最も増殖する性質があるとされています。そういったことから、低体温は、生活習慣病やアレルギー、うつ、ガンなど、さまざまな病気を引き起こすのだそうです。

「体温を1度上げると、免疫力は一時的に5~6倍アップ。心臓や脾臓など産熱量の多い臓器には、ガンはできないんです。身体を温め、平熱を上げることが健康維持につながります」

健康的な人の平熱は36.5~37.1度と言われています。
http://www.sawai.co.jp/kenko-suishinka/illness/200909-02.html

 

このサイトにも書かれていますが、現代人は運動不足という問題があり、運動不足によって筋肉の量が低下してしまっている、と書かれています。

運動量の低下が、筋肉量の低下につながっているという関係性ですね。

『筋肉は人体最大の熱産生器官ですから、筋肉が少なくなると、体温も下がり、基礎代謝も下がります。基礎代謝とはじっとしているときでも体内でエネルギーを消費していること』

 

このように筋肉は熱産生器官であるという観点からも、筋肉を刺激し、筋肉量を増やしていくという発想が重要なことになりますよね。

体温を上げるためには筋肉の量を増やすこと。

ただ、筋肉量を増やすのではなく、新陳代謝の良い状態で筋肉を増やすことが重要であるということなのです。
 

低体温の状態に陥っている人に対して、ストレス刺激を与える。

それがかえって、免疫力を低下させることになってしまえば、筋トレをすることの意味はあるのか、と思いませんか?

身体機能面、身体状態の悪化につながりかねないわけです。

 

自己調整力や、自己回復力を高めるためのきっかけを生み出すための、ストレス刺激であれば良いとは思うのですが、そういった刺激を適切に与えることができるのかといえば、疑問ですね。

多くの場合、強刺激となってしまい、かえって機能不全な状態に陥らせてしまう、またはそれをやることの意味がないような刺激を与えてしまっているということが多いと思います。

ここでいう、それをやることに意味がないこととは、それをやってもやらなくても、特に何か適切な反応を得ることができないことを指しています。

 

体温を高めること。

そのために必要な要素を考えて、目的とする状態を引き出していく。

低体温 ➡︎ 体温を高める必要がある ➡︎ 熱を生み出す ➡︎筋肉量を増やす ➡︎ 筋トレをする

こういう単純な話ではなく、筋肉量を増やすための筋トレをどのように行うのか?

そこをきちんと考える必要があるということです。

 

筋肉量を増やすための刺激として、どのような刺激を筋肉に対して与えるのか?

対象とする筋肉の状態がどのような状態なのか?

対象とする筋肉を正しく評価できて、評価をもとにどのような刺激を与えれば良いのか?

 

健康な一般人と、寝たきりの人では、当然ながら刺激の方法や質が異なるのです。

どのような刺激を与えるのが適切なのか?

その刺激によって、適切な反応・結果が引き出せるのか?

そこを考えることが重要です。

 

何も考えずに目的とする筋肉を対象に筋トレを行うと筋肉は緊張した状態に陥ってしまいます。

筋肉は自分でゆるむことができないからです。

筋肉は縮むことはできても、自分でゆるむことができない。

自分でゆるむことができないがゆえに、拮抗筋とのバランスが重要となるのです。

拮抗筋とのバランスが良ければ、筋肉は縮んだ状態とはならない。

ゆるんだ状態を維持することができるのです。

 

このような観点から、対象とする筋肉に対してだけ着眼するのではなく、拮抗筋との関係性もきちんと考えていく必要があります。

筋肉を緊張させたままだと、当然ながら血流が滞ることになります。

それでは筋組織、細胞は活性化しない状態、新陳代謝が低下した状態に陥ってしまうことになるのです。

セラピストが行う筋トレが、筋肉の細胞組織に与える影響というものを考えた筋トレ処方を考える必要があるでしょう。

 

 

速筋線維を刺激する


熱産生としての働きが筋肉にはあります。

そして、その筋繊維をさらに細かく分けて捉えたとき、速筋線維と遅筋線維があります。

じゃあ、両者で熱産生に違いはないのか、という視点です。

これが、大きな差があるのです。

 

遅筋線維よりも、速筋線維の方が圧倒的に熱産生の能力が高いのです。

だからこそ、より大きな熱産生能力がある速筋線維を増やすことが体温を上げることにつながるのです。

体温を上げることの重要性については既に上記しました。

 

さて、速筋線維を刺激することのメリットについて体温という観点からお伝えしましたが、その他のメリットとして多くの対象者に幅広く用いることができる、という点です。

筋トレは、大きな負荷をかけることで筋肉組織を損傷させてしまう危険性があります。

運動量が低下していて、活動性が乏しい人に筋トレを行う際に注意すべきことは、負荷のかけ方ではないでしょうか?

どのように、どのような負荷をかけるのか?

 

負荷とは、刺激ですね。

大きな負荷をかける必要はない、ということです。

大きな負荷をかけると、交感神経が優位になり血圧の急激な上昇や、筋肉組織へのダメージが危惧されます。

 

脳や心臓、呼吸器に問題がある人に対しては、強い刺激、強負荷をかけることはできない。

そういった問題を抱えている人に対して、筋肉量を減らさないように、どのように対処すれば良いのか?

何か方法はないのか、ということを考えたことがありますか?

 

方法はあります。

大きな負荷をかけなくても、身体状況的に厳しい人に向けて筋肉量を増やすことができる方法はあるのです。

それが速筋線維を刺激するという方法です。

この方法で筋トレを行えば、筋トレを行う対象者自身でカラダを動かしてもらわなくても、セラピストの他動的な刺激により筋肥大を起こすことができるということです。

 

自分自身で動かしてもらうことで筋トレが可能ですし、他動的にセラピストが動かしてあげることでも筋トレを行うことができる。

ゆえに、安全性の高い方法、かつ効果的に筋肉を肥大させることができる方法なのです。

では、その方法の具体的な方法とはどのように行えば良いのでしょうか?

そこが一番知りたいところだと思います。

 

 

筋トレを行う


速筋線維を刺激する具体的な方法ですが、どのように行うのか。

それを解説していきたいと思います。

 

筋肥大を起こしたい筋肉に対して、どのような刺激を与えるのか?

『刺激と反応』という観点から、方法を考えることが重要となってきます。

どのような刺激を与えるのか?

それは、上記したように対象とする筋肉を速く動かすということです。

そして重力という負荷を利用します。

重力によって伸張反射をかけ、筋肉を速く動かす。

これをできるだけ速い速度で繰り返すのです。

 

速く動かすことができる部分では、10秒以上で全力で繰り返すということです。

そんなに速く動かすことができない部分では、40秒から1分くらい動かし続けること。

これが速筋線維を効果的に刺激し、筋肥大を起こすための前提条件となります。

 

この10秒程度や、40秒から1分間刺激し続けるというのは、どういった観点からの話なのかというと、この刺激方法により、筋肉を無酸素状態で動かし続けることになるのです。

その結果、速筋線維を刺激して筋肥大を起こす効果を高めることができるということなのです。

 

それは、以下のような報告があります⬇︎

筋肉の中で利用可能な酸素が減ると、酸素を必要とする遅筋線維だけではなく、酸素の供給が不十分でも働ける速筋線維がより多く動員されることになる、ということからも無酸素状態をつくり出すことが重要である、ということになりますね。
(石井直方の筋肉の科学:ベースボールマガジン社より引用)

 

素早く動かす、力を抜く、これを繰り返し行うだけです。

力を抜くときは重力に従って力を抜く。

 

意識するのは、対象とする筋肉を収縮させる部分だけです。

これを力を抜くときにも、意識を入れてしまうと、両方向に意識が向いてしまいます。

それではまずいのです。
 

対象とする筋肉に収縮させるタイミングに意識を集中させることが効果的に速筋線維を刺激し、筋肥大を起こすために欠かせないポイントなのです。

 

 

筋トレなのか、ストレッチなのか

 

速筋線維を刺激する筋トレ方法をお伝えしました。

速筋線維を刺激するために、素早い動きで、筋肉に刺激を与える。

それが結果的に、伸張反射を誘発し、筋肉がゆるむことにつながるのです。

 

ウエイトや徒手抵抗などで筋トレを行うと、その後の筋肉の状態は縮んだままで硬くなってしまう傾向にあります。

速筋線維を刺激する方法の筋トレでは、それが起こらないのです。

筋肉はふわふわにゆるむ上に、筋肥大もすぐに効果としてみられるのです。

いわば、筋トレとストレッチを同時に行っているようなものです。

両立しちゃうんですね。

 

ここが、速筋線維を刺激する筋トレの面白いところだと思います。

視点を変えれば、筋トレにもストレッチにもなる。

筋肉や腱に対して、どのような刺激を与えているのか、ということから考えると当たり前の話なんですが。

視点が狭いと、このような捉え方はできないですよね。

 

 

まとめ


筋トレの話をお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?

これまでの『筋トレ』のイメージから大きく世界が広がったのではないでしょうか?
 

筋トレは本当に難しく、奥深い世界です。

何を目的として筋肉を鍛えるのか?

筋肉を肥大させたいのか?

スピードを上げたいのか?

スピード筋力を上げたいのか?

パワーを上げたいのか?

持久力を上げたいのか?
 

目的によって、刺激が変わってくるのです。

対象者によっても、刺激の方法が異なる。

 

これには〇〇をやっておけばいい、みたいなものはないのです。

目的や対象者に合わせた、筋トレの処方が必要なのです。

その適切な処方をセラピスト自身が提供できるのか。

そこが重要となってくるでしょう。

 

今回のブログでは、リハの現場で効果的な筋肥大を目的とした筋トレについてお伝えしました。

ぜひ、臨床で取り入れてみて下さい。
 

ということで、最後まで読んでいただいてありがとうございました。

 

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