身体の原理を活かせば、相手と深く “つながる” ことができる

      2017/01/14

 

どうも、理学療法士の魚住です。

 

患者さんや利用者さんと深くつながること。

それは、『信頼関係』の構築がなされる、

ということでもあります。

 

深く “つながる” ことができれば、

それは患者さんや利用者さんに安心感を与えることができるからです。

・安心感を与えることができる

・安心感で満たすことができる

という前提があるから、患者さんや利用者さんから、より可能性や能力を引き出すことにつながるのです。

 

このように目の前の相手と深く “つながる” 技術。

それを身につけているのか、つけていないのか。

そのことが、セラピストの質として大きな “差” となるでしょう。

 

今回のブログでは、目の前の相手と深く “つながる” ための方法について、

武術や武道の世界から、とても重要なヒントとなるものをお伝えしていきたいと思います。

 

スポンサーリンク

 

緊張状態をつくり出さないこと

 

前回のブログ

ハンドリングを高めるよりも前に、接触する『手』を考えよう! icon-share-square-o 

では、『接触する』ということについての話をお伝えしました。

 

手で何かに触れた際に、『接触性拘束』という特性がある。

その影響により、相手の身体に触れることになるセラピスト自身の身体の緊張を高めてしまうことになる。

そのように書きました。

 

この課題と、どのように向き合うのか?

 

それは、自分自身の身体と対話しながら、

相手の身体に触れることで、

どんどん自分自身の緊張が高まっていかないように、よりゆるんでいく方向を目指さなければいけないのです。

 

 

『接触性拘束』を解消するためには、

何か具体的なテクニックや方法論がある、

ということではないのです。

 

自分自身で、身体が緊張しないように

よりゆるんでいくように自分自身の意識を向けていく。

それが重要なのです。

 

ここまでは、前回のブログの内容の復習です。

 

 

『調和』や『一体感』を生み出すこと

 

ここからが、本題です。

 

相手と関係することで、お互いのバランスが崩れてしまう。

そのことを体感的に理解する必要がある、

ということです。

 

バランスが崩れてしまう、というのは

方向性を間違うと、お互いに緊張関係を生み出してしまう、ということに陥ってしまうからです。

 

そうじゃない方向。

それを目指さなければいけない。

 

つまり、それは『調和』ということであり、『一体感』ということなのです。

 

自分自身のバランスを保持することに意識を傾けるのではなく、

相手と調和し、一体感を生み出し、“私たち” のバランスを再構築していくこと。

それが重要なのです。

 

 

それを生み出すために、どうしたら良いのか?

そのヒントは、武道や武術にあります。

 

自分以外の他者と関係し、相手のバランスを崩すこと。

そういった要素が、武道や武術の中にはあります。

『崩し』というものですね。

 

相手をどのように崩すのか?

そのヒントが、武道や武術の中に内包されています。

 

 

身体の原理を活かすこと。人間は転倒を恐れるがゆえに『より安定したものにバランスを委ねる』

 

人という生き物は、転倒を恐れる生き物 です。

ゆえに、転倒を防ぐための働きというものを

備え持っている、ということです。

 

その中でも、『直立を最優先する』という働き があります。

具体的には、身体の転倒を防ぐためなら、自立の放棄すらいとわない、というもの です。

 

自分より、安定した他者に依存してでも、

『立つ』という目的を達成しようとするのです。

 

言い換えると、自分自身よりも

『より安定したものにバランスを委ねる』

ということになります。

このような原理があるわけです。

 

 

問題はここからですね。

その原理を理解したからといって、

そのまま使えるわけではない。

 

・この原理をどのように使うのか?

・どのように活かすのか?

そこが重要な部分ですよね。

 

武道や武術のように完全に相手の身体のバランスを崩すことによって、相手を無力化する、ということはリハビリの中では求められません。

 

リハビリの世界に置き換えたら、どのように活かすことができるのか?

ということを考えなければいけないのです。

 

先ほどにも書きましたが、相手との『調和』や『一体感』を生み出すということが重要であるということを書きました。

ここに、先ほどの原理を活かす、

ということなのです。
武道や武術のように完全に相手の身体のバランスを崩す必要はないのです。

セラピスト自身と『調和』する、『一体感』を生み出す程度のバランスの崩し、というものができればいいのです。

 

患者さんや利用者さんは、自分自身の身体のバランスを崩したくない、崩されたくない、という思いがあります。

バランスを崩されることにより、

転倒のリスクが発生するからです。

 

転倒の不安や恐れという問題。

それを持っているのです。

 

 

だから、自分自身の身体に触れられること、

外的な刺激を加えられることに敏感になっている。

ゆえに接触を受けるとバランスを崩すまい、と身体緊張させて姿勢保持を取ろうとするのです。

 

そのような状態になってしまっていると、

セラピスト側が何か力を加えることで、すぐに抵抗されるという状況に陥ってしまいます。

結局は力と力のぶつかり合いになってしまっているだけで、そのような “場” からは何も創造されることはないのです。

 

相手の可能性や能力を引き出すためには

相手の身体の緊張を必要最小限の状態にしなければいけないのです。

なるべく “ゆるむ” 必要があるのです。

緊張させてしまっていては、身体が解放されることはない。

 

いかに “ゆるんだ” 状態をつくり出すことができるのか?

そこが重要になってくるのです。

 

 

だから、セラピストは相手の身体の緊張を生み出さないような関係性を構築できないといけないのです。

セラピスト自身の在り方もそうですが、接触ですね。

それが、とても大きな影響力を与えている、

ということを認識しなければいけないのです。

 

 

セラピスト自身の在り方が重要である。セラピスト自身が関係する相手よりもバランスのとれた状態であること。

 

で、先ほどの原理をどのように使うのか、

活かすのか?

というところですね。

 

セラピスト自身の身体の在り方、

それが重要ですね。

 

接触する相手よりもバランスのとれた身体。

それができていないと、自分のバランスが

大きく崩されることになるのです。

 

そのために自分自身の身体の緊張が高まってしまうことになる。

それでは、本末転倒です。

 

 

自分自身がより “ゆるんで” 、バランスのとれた状態をつくり出す必要があるのに、

バランスが取れないがゆえによりアンバランスな状態になってしまい、何かに、誰かに安定性を求めることになるのです。

 

それが何かというと、触れる相手であったり、

地面であったりするわけです。

 

そうなってしまうと、セラピスト自身の身体は

かなり緊張した状態に陥ってしまっています。

そんな状態では、触れる相手にセラピスト自身の

緊張が伝わってしまうことになるのです。

 

 

それはお互いに、緊張状態を生み出し

より緊張状態を増してしまうことになるのです。

 

『調和』や『一体感』を生み出せる状態とは程遠い状態ですね。

お互いに “ゆるんで” いかないことには

『調和』や『一体感』は生まれないのですから。

 

 

『調和』や『一体感』の創造に必要な要素は

緊張ではないのです。

“ゆるむ” こと なのです。

 

緊張状態が生み出すものは、摩擦や衝突です。

それは、分離の道です。

お互いに歩み寄ることができない。

バラバラになってしまう道なのです。

 

 

自分自身がバランスを確保する。

相手よりもバランスのとれた状態をつくり出す。

どのような状態においても、

自分自身のバランスを確保していれば相手と関係した際に、相手の身体の中心とつながることができるようになるのです。

 

セラピストがゆるんでいれば、接触するだけで

相手の身体が、自分の中心に引き寄せられてくるのですから。

 

それが、武道や武術で使われている

『崩し』の原理であり、コツなのです。

 

スポンサーリンク

 

何よりもセラピスト自身が “ゆるんで” 『軸』を通すこと

 

 

自分自身よりも、より安定したものにバランスを委ねる

 

その原理を活かすためには、セラピスト自身が

ゆるんで、『軸』を通すこと。

『軸』をもって、相手と関係することなのです。

 

『軸』がないと、自分自身の立ち位置を見失うことになってしまうのです。

バランスを取れない。

心身ともに緊張状態を生み出してしまうことになる。

 

『軸』があれば、身体がゆるむようになる。

ゆるむから、『軸』が形成される。

このような関係性があるのです。

要するに、『軸』なきセラピストが多いから

相手の身体を緊張させる接触しかできないし、

力と力のぶつかり合いを生み出してしまう関係性しか構築できないのです。

 

ゆるんだ身体で、相手と接触すれば

相手の身体の中心が、自分の中心に引き寄せられてくる。

相手の身体のバランスを完全に崩す必要はないのです。

少し崩しをかけて、自分の中心に引き寄せられる状態をつくり出す、という部分に『崩し』の原理を使えば良いのです。

少し崩しをかければ、簡単に相手の中心と

“つながる” ことができるようになるのです。

 

目に見えるほどの『崩し』ではないですよ。

相手が分からないほど、さりげない “崩し” で良いのです。

 

そう簡単に、できるものではないですが

手に入れると明らかに世界が大きく広がることになります。

なぜなら、これができるようになると

相手と深く“つながる” 技術を手に入れる、ということでもあるからです。

 

相手の身体の表面的な部分、外枠をなんとかかんとか、必死になって動かそうとしなくても

すでにお互いの中心がつながっているのですから、セラピストが動けば、相手も同じように動くのです。

 

一体化しているし、同調しているので

“わたし” と “相手” ではないのです。

 

“私たち” になる のです。

 

 

自他分離しない。

“私たち” という関係性になる のです。

 

それが『調和』であり、『一体感』なのです。

 

こういったことを踏まえて、

いかにセラピスト自身に『軸』を形成することが

重要なのか、ということが理解できると思うのです。

 

大事なことは、このことを知識や情報ではなく

身体を通した理解が重要である、ということなのです。

 

 

まとめ

 

今回のブログでお伝えしたかったこと。

 

それは、

身体の原理というものを知れば、新たな世界が開ける

ということです。

 

こういった身体に備わっている原理、原則といった自然法則を理解し、それを活かすことができる状態を手にいれること。

それが大事なことだと思うのです。

 

こういったものを知らずに、相手と関係する。

ゆえに、目の前の相手と調和することができずに

緊張状態をつくり出してしまうことになるのです。

 

 

セラピスト自身がやりたいことだけを押し付ける

一方通行な関係性しか築けない。

そのようなセラピストが、本当に多いのです。

 

目の前の患者さんや利用者さんは、

そういったセラピストから、“違和感” や “不快感” しか感じられません。

そんな状態では、とてもじゃないけど

セラピストは受け入れてもらうことができないのです。

ゆえに信頼関係の構築ができない。

 

 

目の前の患者さんや利用者さんとの関係性を構築すること。

それなくしては、相手の可能性や能力を引き出すことはできない。

相手の可能性や能力を引き出せない関係性しか築けない、というのはセラピストとしては致命的だと思いませんか?

何も創造することができないのですから。

 

相手の可能性や能力を引き出せずに、閉じ込める関係性しか築けない。

そんなセラピストには価値は提供できないし、

求められる存在にはなり得ないのです。

 

 

今回のブログでいうと、セラピスト自身の在り方を整えること。

それが重要なことでしょう。

 

調和のとれる存在となり得る、ということですね。

相手よりも、よりバランスのとれた存在となること。

 

 

具体的には、セラピスト自身に『軸』を通すことです。

『軸』が通っている、ということは

重力場という環境の中で、最適な状態で調和できている、ということなのですから。

 

まずは、自分自身で調和のとれた在り方ができること。

そういった状態をつくり出すことができない限り、セラピスト自身の心身は緊張状態を生み出し、

その緊張が、セラピストと関係する相手に伝染するのです。

 

お互いに緊張状態に陥ってしまえば、

それは調和とはかけ離れた状態になります。

それでは、何も良いものを引き出せない。

 

セラピスト自身が整えば、関係する相手も整う。

これが自然な反応なのです。

このように、良い循環、良い影響を与えることのできる存在になることが重要ではないでしょうか。

 

 

さらに、自然の法則や原理を活かす、ということを考えると、

セラピスト自身の身体が整っていないといけないのです。

こういった観点からみても、あまりにも自分自身の身体に無頓着で、無関心なセラピストが多いことか。

それが理解できると思うのです。

 

そのようなセラピストには、目の前の患者さんや利用者さんの可能性や能力を引き出すことなんてできないのですから。

 

ということで、今回のブログは以上になります。

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。

 

スポンサーリンク

 

 

 

 - 『調和』や『一体感』, カラダの使い方, ハンドリング, , , , , , , , , , , , , , , , ,